生活文化研究所





「たかがヒビ割れ・・・」と思っていませんか?

“水”は外壁にとっての大敵です──

水はどんな小さな隙間からでも入り込んできます。
いうまでもないことですが、外壁は雨水などの外部からの水の侵入を防ぐとともに、住まいそのものを支えるという重要な役割を果たしています。
しかし、外壁のほんの少しのヒビ割れから水は入り込み、確実に壁の内部をむしばんでいきます。その結果、壁だけでなく、住まいを支える大切な「柱」までも腐らせてしまうことがあります。

“水”の被害は、それだけではありませんー

下の写真は、私どものお客様の施工前の現場を示すものです〈写真1〉。
壁に入り込んだ水は、内部の断熱材に溜まり腐食させるとともに、喘息やアトピー、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、過敏性肺臓炎などを引き起こすこともあるカビの一種「アスペルギルス」を発生させます。
また、断熱材に溜まった水は排泄されず、目に見えないところで思いのほか状況が悪化していることも少なくありません〈写真2〉。

「小さな傷み」のうちに確実に治す

完全な補修をするまでの応急処置ー

とはいうものの、多額の費用が必要ですから、すぐさま「ヒビ割れ=塗り替え」というわけにはいきません。そのために、その応急措置として、壁用のコーキング剤でヒビ割れを補修することにより、とりあえず水の侵入は防ぐことが出来ます。

しかし、ヒビ割れ以外にも水は侵入することがあります──

外壁は太陽の紫外線による劣化防止や防水効果を目的として塗料を塗るのが一般的ですが、特にモルタル外壁の場合、塗料による防水効果がなくなると、外壁自体に直接水が浸み込んでしまいます。

では、外壁の健康状態をチェックするには何を目安とすればよいのでしょうか?
●チョーキング現象
一日のうちで、一番長く日の当たる場所の壁に触ってみてください。手に白い粉のようなものが着いた場合は塗料の防水効果が切れかけているサインです。
これを「チョーキング現象」といいます。
手に白い粉状のものが着いたら要注意
●ピンホール ●ヘアラック(髪の毛のような細いひび)
外壁の表面にポツポツと小さな穴が幾つも開いていることがあります。これは吹き付け塗装などの時に空気を巻き込んでしまい、乾燥過程でその空気が抜けるときに出来る穴で「ピンホール」といいます。これもやはり防水効果を損なう原因になります。 一見、何ごともないように見える壁でも、よく見ると無数の細かいヒビが入っていることがあります。これを『ヘアラック』といい、防水効果切れの赤信号です。
表面に細かい穴が幾つも開いている 普段、気づかない場所にもヒビが・・・
 


TEL : 045(814)5444 FAX : 045(815)3466


サイディングボードとはー

かつて日本の住宅では、外壁材といえば木板(下見板)張りがほとんどでしたが、戦後の法整備(防火)にともなって、モルタル防火造りが多くなり、最近では、より耐火性に優れた「サイディングボード(パネル壁材)」が主流になってきました。サイディングボードは
(1)施工の手間がかからず、工期が短い(2)コストが安い
などの理由から、現在ではハウスメーカーの標準仕様になっています。
また、種類も次の3つに大別され、それぞれに特性を持っています。

(1)窯業(ようぎょう)系サイディング

基材のセメントと繊維質原料を高温・高圧で成型したもので、色・柄などのパターンも豊富。
軽量気泡コンクリート(ALC)も同様の製品。

(2)金属系サイディング

主な原料はカラー鉄板やアルミニウム合金で、窯業系に比べ新築時よりも改装時に用いられることが多い。

(3)合成樹脂系サイディング
アメリカやカナダでは40年以上の歴史を持ち、色落ちや変色が少なく、酸性雨にも強く金属系のように錆びることもない反面、耐火性・耐衝撃性が低く、日本のように密集した住宅事情には適さない面もある。
※都市部では法的規制がある場合があり、使用する際には役所の建築指導課に相談が必要。
サイディングを“長持ちさせる”チェックポイント

Q.
サイディングは「塗り替えなくても良い」って本当?
A.大切なお住まいを長持ちさせるには、塗装・補修は必要です
 窯業系サイディングの場合、製造時の塗装の約9割が耐用年数7年前後(立地環境により異なる)のアクリル系塗料を使用しています(生活文化研究所調べ)。有機系の高耐久性塗料が使われている金属系のものでも、耐用年数は10年前後です。  
 塗装には、美観上の役割のほか、サイディングを太陽の紫外線や雨水などの外的環境から保護する大切な役割があります。そのため、塗料の防水効果が減退してくれば、雨水の浸み込みやサビなどの腐食を防ぐためにも、塗り替えは必要になってきます。
 また、塗装には問題がなくても「サイディングボード同士をつなぐ目地(めじ)が割れている」といった場合は、サイディング自体の吸水による膨れ・ヒビ割れ・はがれ・反りなどの傷みを誘発します。そのため漏水の原因になるだけでなく、膨張による重さを原因とする滑落事故や凍結によるサイディングボードの爆裂(氷点下で発生する)といった事故も実際に起こっています。
 傷みが大きくならないうちに補修を検討される方が得策です。
 いずれにしろ、早め早めの予防対策が住まいを長持ちさせる重要なポイントであることに変わりありません。

自分で出来る「我が家の外壁チェック〈サイディング外壁編〉」


●目地割れ
●チョーキング現象
  (手に白い粉が着く)
●反り膨らみによる
 “すきま”
意外と見落としがちな目地の“ヒビ割れ”。目地が剥がれて“すきま”が出来ているケースも多く見られます。発見したら早期対策で補修を。 “塗装の膜”による防水効果が失われると、窯業系サイディングの場合、雨水が浸み込むようになります。
チョーキング現象は防水効果が失われているサインです。
サイディングボード自体に水が浸み込むと、反りや膨張の原因になります。
早め早めの点検・補修を。
「住まい」も人の健康と同じように早期発見と早期治療が基本対策です。



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スレート瓦って何?

セメントと石綿を85:15の割合で混合して作られた厚さ4.5mmの薄い板のことで、「コロニアル」とか「カラーベスト」といった商品名で呼ばれています。
昭和36(1961)年頃から発売され、現在も多くのメーカーが製造しています(破損などのメーカー耐用保証期間は10年)。
なお、耐用保証に含まれない瓦としての防水能力は、表面の塗装被膜に依存しています。
特徴はー

重量が軽く施工がしやすいため一般的に多く使われていますが、塗装が剥がれやすく(新築時の塗装はアクリル塗装で耐久年数は約7年前後)、踏み割れやヒビ・コケなどの原因から日本瓦に比べ雨が漏りやすく、20年をすぎた頃から下地の板(野地板)が傷みはじめます。
※なお、JIS規格ではストレート瓦施工時の野地板の厚さは9mm以上でなければならないと定められています
意外に気づかない「大切な場所」

屋根の上は危険であり、余程のことがない限り、普段はほとんど見ることはありません。
そのため、たくさんの問題点があるにもかかわらず、気づかないまま放置しているケースが私たちの調査においても明らかです。
●鉄部(棒押さえ・けらばなど)のサビ ●鉄釘抜け
サビによる腐食により、雨漏り等の原因になります。また、“サビはサビを呼ぶ”ということもあり、鉄釘のサビから鉄部へのサビに拡がることがあります。 屋根は鉄釘を使っている部分が多く、年数を経るごとに徐々に抜けてきます。これを放置しておくと棟押さえのはずれやサビの原因になります。

●瓦の割れ・ヒビ

●コケ・カビ
雨漏りの原因となる場合があります。ヒビは気づかないうちに築10年前後の屋根で、数カ所(生活文化研究所調べ)はできています。 ストレート瓦にとってカビやコケは大敵です。これは防水効果に重要な塗装皮膜を剥がす原因となり、瓦自体の耐久性を著しく低下させてしまいます。


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